「晴耕雨ブログ」―――『夢の江戸歌舞伎』を読む

   江戸の歌舞伎小屋に思いをはせる
       ―――江戸の一般ピープルの〈ハレ〉の場



夢の江戸歌舞伎


   ※今朝、小雨の中サロさんと散歩をしたら眠くなりました。一眠りして、目が覚めたらもう雨が止んでいました。「さて、畑仕事か!」と思いましたが、畑の方は、5月のサツマ芋の植え付けを残してもうやってしまったので、久しぶりに、徒然なるままに、ブログを更新することにしました。お付き合いください。

   さて、私は4月生まれなのですが、今年の「誕生プレゼント」は〈餃子30個〉と〈絵本〉でした。餃子の方は、私が「一度〈飽きるまで〉食べてみたい」と言ったので、それを実現してくれたわけです。お馴染みのCO-OP餃子でしたが、もちろん、十分満足しました。また、絵本の方は、最近私が浄瑠璃や歌舞伎の本ばかり読んでいるので、写真にもある『絵本・夢の江戸歌舞伎』(服部幸雄文・一ノ関圭絵、岩波書店、2001年)を贈ってくれたのです。

   この絵本は、文化文政期の江戸・中村座に見習いに入った少年が「顔見せ興行」の様子を自ら体験しつつ紹介するという形で書かれています。服部さんも示唆していますが、江戸時代の歌舞伎は、現代のような(ある意味で)「お上品」で「文化」的な性格のものではなく、芝居が大好きな役者をはじめとする芝居小屋関係者全員と様々な階層の観衆が一体となってつくりあげる、非日常的で、祝祭的な、もっともっと楽しく面白いものだったようです。それは、芝居小屋の構造そのものにも表れていて、その様子をたくさんの人々の姿と共に緻密にイラストで表現した一ノ関さんの「職人」的情熱にも感服せざるを得ないところです。「ウオーリーを探せ」的な楽しみもありましたが、さらに、立体的に見える「3Dアート」的な処理がなされたらどんな風に見えるだろうなどとも想像しました。故中村勘三郎が「(平成)中村座」を再現しようとした気持ちもわかるような気がします。

   また、この絵本は、その劇場空間を中心とした、巻末の「解説」と「絵注」がとりわけ秀逸で、細かい字で大変でしたが、三日間、熟読してしまいました。それは、舞台上の演技や脚本に焦点が当てられている『歌舞伎十八番』(集英社)などとはかなり異なった印象を与えるもので、「演劇」の本質的な魅力が奈辺にあるのかをを改めて考えさせられるものでした。私は、還暦を過ぎてから見始めた歌舞伎や浄瑠璃に触発され、当時の人々の感じ方や考え方をより明確に知りたいと思い、「日本〈古典〉文学全集」の関連する作品群を読み進めてきました。しかし、この絵本に出会うことによって、(とりわけ演劇ファンだとかお祭り好きであったというわけではない)私のそうした動機が、かなり「主知主義」的な傾向を持っているだろうことに気付かされたのです。確かに「日本〈古典〉文学全集」は面白いです。しかし、それが実際に演じられ、人々が楽しんだ演劇空間の方がより本源的なものなのだろうと思うのです。大切なことを教えられました。素晴らしい絵本です。


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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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