『不思議なクニの憲法』と『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』を観てきました。

 主権者意識とグローバルな視野
   〜「一般ピープル」が幸せになるために必要なこと
    

DSC_2075.jpg
サロさんが立ち止まる!「これきれいだね


   ※先週、映画を観に渋谷と新宿に行ってきました。松井久子監督の『不思議なクニの憲法』(渋谷シネパレス)とマイケル・ムーア監督の『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(角川シネマ新宿)です。また、時間があったので渋谷から新宿に向かう際、何十年かぶりに山手線を一周してみました。けっこう楽しく充実した日でした。

   
   『不思議なクニの憲法』は、先月「奥さん」がある自主上映会で見てきて推薦してくれたものです。アベ政権による日本国憲法の破壊が進む中、24人の知識人や「一般市民」が日本国憲法への思いと日頃の実践を語るドキュメンタリーでした。とりわけ「一般市民」の、人権主体としての、主権者としての、平和の担い手としての発言や行動は、1960年代や70年代とは印象を異にする、国家や公共に対する〈個〉としての在り方の深化を強く感じさせ、頼もしく感じられました。
   有名どころについて言えば、瀬戸内寂聴さんの戦争体験や戦後体験はきっと多くの日本人が共有したもので、日本国憲法が支持されてきたのはこうした戦中派の〈実感〉が基礎にあるのだろうと改めて感じました。また、『戦後史の正体』の孫崎享さんの「70年安保(闘争)はガス抜きだった」という発言は、その後の経過を考えると、団塊の世代として重く受け止める必要があるとも感じました。「立憲主義」の重要性を主張する長谷部恭男(やすお)さんは、9条に対する現行解釈の「妥当性」と意義を確認しつつ、改憲派の目論見と危険性に鑑み、現行9条の安易な変更に警告を発しています。また、原則的な9条解釈を取っているらしい三浦洋一さんのコメントでは、女性に対する戦時性暴力が、それを助けられなかった男性の「自責」の念を利用した、制圧の一手段でもあったという指摘が心に重く残っています。また、赤松良子さんの、「両性の本質的平等」をはじめ、『日本国憲法』の定めた諸規定の〈普遍性〉こそが当時の国民の心を捉えたのだという指摘には説得力がありました。また、『新国防論』の伊勢崎賢治さんは、ジブチでの自衛隊拠点(基地)の建設をはっきりと〈侵略〉と指摘し、国連PKOの変質を論じつつ、「新9条」(自衛戦力と日本の領域に限定した個別的自衛権の行使)を提起しています。もちろん、伊勢崎さんも集団的自衛権の行使を容認する戦争法や自民党による改憲策動に対してはより厳格に反対を表明しているのであって、現在の状況は、木村草太さんの言う、〈魏(集団的自衛権は合憲)に対する呉(個別的自衛権も違憲)・蜀(個別的自衛権は合憲)連合軍の戦いなのだということを改めて確認したところです。

   
   マイケル・ムーアは、『ボウリング・フォー・コロンバイン』や『華氏911』そして 『シッコ』などでお馴染みの映画監督です。また、イラク戦争に反対し、アカデミー賞の授賞式でブッシュ大統領に"SHAME ON YOU!"と叫んだ姿を覚えている人も多いでしょう。
   今回観た『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、マイケルがペンタゴンに依頼されて他国を「侵略」し、〈そこにあるもの〉を戦利品として奪ってくるという筋書きです。もちろん、それは「中東から石油を奪ってくる」というのとは対極的なものになります。記憶にたよって羅列すれば、イタリア(有給休暇)、フランス(学校給食)、スロベニア(学費無料)、ドイツ(労働者参加・歴史認識)、フィンランド(学力)、ポルトガル(麻薬)、ノルウェイ(刑務所)、チェニジア(女性解放)、アイスランド(対等な女性の役割・金融)といった具合です。つまり、視野を世界に広げ、「井の中の蛙」の「アホでマヌケな」アメリカ人の〈常識〉を覆し、アメリカをよりよい国にしようというわけです。こうした思考方法は、『ボウリング・フォー・コロンバイン』におけるアメリカとカナダの対比、『シッコ』におけるアメリカとキューバやカナダとの対比にも見られるもので、そうした意味において、マイケル・ムーアの仕事の集大成といった性格を感じる取ることもできるでしょう。そして、そうした「侵略」の中で、マイケル・ムーア自身、他国で実現されている、現在のアメリカにとって「羨ましく」思える多くのことが、実は、かってアメリカ自身が先進的に切り開き、追い求めたものだったということに気付くのです。

   日本が高度経済成長を実現し、経済大国となった1980年代の半ば頃、日本人は、「兎小屋の働き中毒」といった自らの姿に気づき、本当の「豊かさ」とは何かを求め始めていました。そうした中で、私の記憶に残っているのは、ヨーロッパにおける「豊かさ」を紹介した磯村尚徳などの番組でした。イタリアやドイツのゆとりある働き方や住まい、オランダや北欧諸国の安心の社会保障、それこそ「そんなのってありかよ?!」と驚いたものです。
   そして、現在の日本・・・。私たちは、新自由主義(金融資本)と「戦争中毒」(軍産官学共同体)のアメリカの有様を「グローバル・スタンダード」として刷り込まれています。しかし、格差と戦争が組み込まれた「アメリカン・スタンダード」など、私たちを幸せにするはずはないのです。アメリカ人のマイケル・ムーアがグローバルな視野で発見した世界の「常識」は、私たちにとっても貴重なものでしょう。私たちも、日本の歴史や文化からも学び直しながら、「アメリカのポチ」から脱しなければならないのだと思います。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ワン・クリック・エリア
おもしろかったらクリックしてね!
にほんブログ村 犬ブログ 柴犬へ
にほんブログ村 にほんブログ村 格闘技ブログ 剣道へ
にほんブログ村 にほんブログ村 政治ブログ 平和へ
にほんブログ村
リンク
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる