英EU離脱と参院選―――晴耕雨ブログ2016年7月

グローバリズムとアベノミクス
   〈一般ピープル〉は自らの真の利害を認識しなければならない



   ※6月も終わりましたが、梅雨空の下、雨の恵みによって我が家の野菜たちは元気いっぱいです。昨日は、太ったキュウリを生味噌で頬ばり、新鮮なナスの浅漬けの美味しさに感嘆の声をあげ、今年は豊作の枝豆をツマミに、去年仕込んだ梅酒を賞味しました。美味い!ただし、国内外の政治的・経済的状況は、梅雨明け前の、極めてドンヨリとしたものになっています。今日は小雨。畑仕事は避けて、PCに向かいます。


   このドンヨリ感の原因を考えると、すぐ頭に浮かぶのは、イギリスのEU離脱騒動における「ポピュリズム」と「エリーティズム」の噴出、そして、参院選における「(改憲派で)3分の2をうかがう」といった〈アホらしい〉「世相」です。
   最初に、英国のEU離脱についてですが、その「予期せぬ」(?)結果は世界の〈投機家〉共を震撼させ、欲に目が眩んだ彼らの動揺ぶりが世界経済を一層混沌としたものにしています。つい最近まで、世界経済に対する最大のリスクは中国だと盛んに宣伝されてきたわけですが、実際は、「資本主義の母国」そして〈グローバリズム〉経済の一大拠点であるイギリスが震源地となったのです。私自身は、戦後ヨーロッパ諸国のこれまでの壮大な実験を国際金融資本や多国籍企業が支配する〈グローバリズム〉とは一応切り離して理解してきたこともあって、私がもしイギリス国民だったとしたら「残留」に投票していただろうとも考えています。ただ、現在のEUは、国境を越える〈人々〉の和解・協調・共生・平和といった理念の進展よりも、〈グローバリズム〉による矛盾の方がはるかに激化していると言って良いのです。例えば、移民(「人の移動」)の問題にしても、新自由主義的な政治秩序の下、安価な移民労働力がある国・ある地域の経済成長を支え、企業に巨大な利潤をもたらすとともに、ある国・ある地域における〈一般ピープル〉の労働条件や社会保障の劣化をもたらしていることも事実なのです。そうした国あるいは地域で「日常生活」を送る〈一般ピープル〉にとって、「緊縮財政」を求められたギリシャ国民の場合にも見られたように、EUに残留する「メリット」はほとんど感じられなかったのだろうと思われます。それだけ、社会の経済的〈格差〉ー〈ボッタクリ〉の構造が固定化されているのでしょう。こうした状態に対して、「自立」的な基底的価値意識を有するイギリスの「一般ピープル」は、まさしく、〈等身大の生活意識〉から、EU離脱に向けて、その国民投票権を行使したのでした。

   これに対して、グローバリズムから利益を得ている「支配層(勝ち組)」は、現在、猛烈な〈グローバリズム〉擁護のキャンペーンを展開しています。あたかも、〈グローバリズム〉こそ、人類全ての経済的福利を実現する、不可避の、「文明」的進歩でもあるかのように。しかし、今回の「離脱」騒動の背後には、(イギリス)保守党の分裂、すなわち、フランスやドイツなどEU11カ国による「金融取引税」導入への反発があるとも言われているのです(→離脱派)。パナマ文書でもその動向が垣間見られる「富裕層」(国際金融資本・多国籍企業など)にとって、こうした「規制」は我慢できないものなのでしょう。他方、〈一般ピープル〉にとっても、スコットランドの若者たちが主張するように、「自由」な労働市場をはじめとする〈統一市場〉のメリットは存在するのです。すなわち、問題なのは〈一般ピープル〉にとってのEUの二面性を正確に把握することだと思います。現在直面している問題とは、〈新自由主義〉+〈新保守主義〉的秩序の下で起こっている事態であって、批判の対象は、(経済的福利増大の源でもある)移民労働者に対してではなく、〈ボッタクリ〉のグローバリズムを推進する国際金融資本・多国籍企業にこそ向かわなければならず、それに対する〈一般ピープル〉の立場からする「規制」が必要だと考えられるのです。こうした〈新自由主義〉+〈新保守主義〉に対する批判的視点を明確にし得ないかぎり、排外主義的な扇動政治家ども(「ポピュリズム」)につけ入る余地を与えることになるのです。

   最近は、姜尚中をはじめ、国民投票や住民投票などの直接民主制的制度への警戒感も出ているようです。ならば、政治エリートに任せていれば大丈夫なのかといえば、戦前のドイツにしても、日本にしても、最近の「アベノクーデタ」にしても、そんなことはないのです。一番重要なのは、政治エリートがなんらかの形で動員しようとする〈一般ピープル〉自身が、自分たちの真の利益を認識することであって、そこから発する等身大の生活意識に根ざした自己決定権の相互的承認(→自治・連合)によってこそ未来が開けるように思われます。まずは、分離からの「再出発」でしょう。
  
   
   ところで、昨日、自民党の政権放送を見ました。相変わらずアベが「アベって」(ごまかす、開き直る、はぐらかす)いました(笑)。また、人気があるのでしょうねえ、イケメンの小泉進次郎がアベの隣でヌエ的表情で原稿を読んでいました。話の内容は、先日(近隣の地主さんなんでしょうかねえ)優しそうなご老人が「読んでみて」と渡してくれた自民党の選挙ビラ①号とほぼ同じでした。選挙ビラの裏面トップには「『経済の好循環』を、さらに加速」とあり、私のような〈一般ピープル〉の《実感》とは全くかけ離れた数字が羅列してありました。典型的なハッタリによる印象操作と言って良いでしょう。この点については次回に少し詳しく点検してみたいと思います。

  ただ、今回は、世界的に見て「アベノミクス」とやらが数値的にどう評価されるかだけは指摘しておきたいと思います。あんなに成功だったと大声でまくし立てているわけですから、きっと世界に冠たる成果をあげていることでしょう。

  事実は、こうです。GDP成長率に関するいくつかの数値を挙げてみましょう。例えば、日本は、2014年名目成長率(国連)で−0.09%(世界162位)、2015年実質成長率(IMF)で0.47%(世界162位)、G7中、最低なのです。もう少し詳しく見てみると、(対前期比%)

  年 月    日本   米国   ユーロ圏   英国
2016.3      1.9     1.1     2.4      1.6
2015.12     -1.8   1.4     1.6       2.8
2015.9       1.7     2.0    1.2     1.6
2015.6      -1.7     3.9    1.6     1.6
2015.3      5.2     0.6      2.4     1.2
2014.12      2.1    2.1    1.6      3.2
2014.9      -2.7     4.3    1.2     3.2
2014.6(消費増税)-7.9    4.6      0.4     3.6
2014.3      5.3    -0.9     0.8     3.2
2013.12      -0.3     3.8    0.8     3.2
2013.9       1.9     3.0    1.2     3.2
2013.6       2.7     1.1    1.6     2.0
 
   こうした数字は私たちの生活実感に近いものでしょう。「正しい」経済政策が取られ、「経済の好循環」が実現されるとこうなるというわけです。さらに、IMFなどによる今年(2016)度や2050年に向けた将来予測においても、日本の人口の減少は止まらず(結婚して子供を育てられる?)、G7中最低水準の数字となるのです。「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」って?よくもまあヌケヌケと言ってくれるものです。冗談じゃない!それは、年金基金や預貯金をはじめとする国民の資産を「盗用」・「浪費」し、また、次世代の「一般ピープル」にツケを回しながら、一部の「お友達」の短期的利益のために、役に立ちそうにもない防潮堤を作ったり、新たな価値も生み出さず競争力も無さそうな軍需産業を育成したり、将来性の全く感じられない原発の再稼動のために使われたりすることになるのです。それは、まさしく、「一般ピープル」の資産と労働力を浪費する、「空ぶかし」に他ならないのです。


イヤな世相だねえ
DSC_2090.jpg
どちらにしても、そう長くは続きませんよ


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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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