「コバケンのチャイ5」を聴いてきました

個性的な演奏だが、私には合わなかった
   ―――11/4大宮ソニックシティ大ホール


   ※日本フィルハーモニー交響楽団 第98回さいたま定期演奏会を聴いてきました。曲目は以下の通りです。
  
  グリーグ ピアノ協奏曲 作品16
   指揮:小林研一郎 ピアノ:仲道郁代
  チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調 作品64
   指揮:小林研一郎
  アンコール:ブラームス ハンガリー舞曲第1番
   
   1年4ヶ月ぶりに生演奏を聴きました。私はチャイコフスキーの交響曲5番が好きで、いろいろな思い出があります。30年程前にワルシャワに旅行した折、ガイドさんから教会のそばで聞こえてきた曲の名前を聞かれ、「あれはチャイコフスキーの交響曲5番の第○楽章です」と答えたことを覚えています。レコードで一番多く聞いたのはやはりムラビンスキー=レニングラード・フィルの演奏でしょうか。生演奏では渋谷の文化村で聞いた気がするのですが、記憶が定かではありません。ところで、この曲を「チャイ5」と呼ぶのですね。これに「コバケン」がついて「コバケンのチャイ5」です。なかなかいいキャチコピーだとは思います。それでは、この日の演奏会の感想を述べてみたいと思います。

  まず、グリーグのピアノ協奏曲です。この曲は各楽章に非常に親しみやすい旋律を含む名曲ですが、その北欧的な「抒情性」の表出に失敗すると、かえって凡庸な印象を与える場合があるように思われます。そして、今回の演奏は、残念ながら、その抒情性の表出に成功していたとは感じられませんでした。仲道さんのピアノは打鍵も力強く、音量も十分で、技巧的にも不満はなかったといってよいのですが、この曲が醸し出す北欧的な雰囲気の表出には失敗していたと言わざるを得ないように思います。このことは小林研一郎=日本フィルについても感じられ、さらに、ピアノとオーケストラとの関係も、「一期一会」の失敗例のようにさえ感じられました。もちろん、以上は私の個人的な感想で、違った印象を持たれた方もたくさんいたこととは思います。
  
  つぎに、「コバケンのチャイ5」ですが、この演奏についても、いわゆる「ロシア」的な「抒情性」の表出には失敗していたのではないでしょうか。また、その演奏は大変個性的だとは思いましたが、その個性的であることが私にはどうしても「不自然」に感じられてしかたありませんでした。同一楽章の中で不自然にテンポが変わったり、パートの音やバランスなどに妙な違和感を覚えました。なにより、ただ大きな音を鳴らせば、盛り上がったり、シビレたりするというわけではないのです。日フィルも第2楽章をはじめ流石にそのうまさを発揮していましたが、コバケンの「注文」に一生懸命応えようとするあまり、オーケストラ自体が「この曲」の演奏に燃えることができていたかは疑わしいところです。コバケン自身も、一時指揮を放棄し、横顔を観客に向けて恍惚とした表情を見せてみたり(エンターテナー!)、曲が終わった後、「非常に落ち着いた」語り口で今日の演奏はこれまでになかった素晴らしさだった的なことを言っていましたが、あれは私たち聴衆へのサーヴィスなのでしょうね。そして、私自身も、当日の体調や精神状態に問題があった可能性もありますが、今回の演奏で一度も「ほてり」や「シビレ」を体感しなかったのです。ただ、アンコールのハンガリー舞曲第1番だけは文句なしの素晴らしさでした!それが、私にとって、今回の演奏会の唯一の救いでした。

   次回は、千住真理子さんの演奏を聴く予定です。コバケン=日フィルは今度はどのような演奏を披露してくれるのでしょうか。楽しみにしています。


 
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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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