カジノ法案強行採決とアベ政治の本性――日々雑感11〜12月(1)

 ボッタクリ、負担を押し付け
    一般ピープルの〈劣情と憎悪〉を煽る



  ※11月も終わり、もう師走です。ただ、私の気分は重苦しく、クリスマス気分とはかけ離れたものです。沖縄に対するアベ政権の弾圧には本当に許し難いものを感じます。また、その他の政治的・社会的現状についても、考えれば考えるほどアホらしく、TPPにしても、南スーダンの「駆けつけ警護」にしても、年金カット法にしても、豊洲市場の「盛り土」問題にしても、労働法制にしても、カジノ法案にしても、アベ政権を支持しているという国民の60%は、現実に何が起こっているのかを正確に認識しているのでしょうか。まさしく、一部の人間たち(とそのおこぼれに与る限定された人々)の〈短期〉的利益のために、日本と世界の「普通の人々」―――ひいてはすべての人々―――の〈命と生活〉が脅かされようとしているにもかかわらずです。

   それにしても、最近のアベ〈自公〉政権による「強行採決(採決強行)」のオンパレードは、「ボッタクリ政権」としてのその本領を遺憾なく発揮していると言ってよいでしょう。そして、その最も象徴的な事例がカジノ法案に他なりません。私は行楽や娯楽を否定するつもりは毛頭ありませんし、また、「宝くじ」や〈ちょっとした〉「賭けごと」についてもほぼ同様です。しかし、カジノ合法化に向けた自公政権の姿勢は日本社会の「質」そのものに関わる重大な脅威だと感じます。

   さて、この法案に対する問題点や疑念は多々あるのですが、その中でもとりわけ大きく論じられているのが「依存症」の問題です。「中毒」の代わりに「依存症」という言葉が用いられるようになったのはいつ頃なのかはよくわかりませんが、要するに、「ギャンブル依存症」とは、「病的賭博」と呼ばれる、治療を要する病気だということです。すなわち、この病気は、自分の意思では賭博を止めることができず、ギャンブルのことで頭がいっぱいになり、仕事や勉強や家庭生活が思うようにできなくなるばかりではなく、さらに、借金・破産・犯罪そして自殺などへと突き進んでしまうことが多いものとされています。そして、現在の日本には、自分の意思でパチンコなどを止められない「依存症」患者がなんと536万人も存在すると報告されているのです。(ちなみに、2014年のパチンコ人口は1150万人、市場規模は24兆円。また、その経営者トップは日本長者番付に名前を連ねています。)パチンコ店に行ってみると、「パチンコは適度に楽しむ遊びです。」(あなたの遊戯は度を超えていませんか?)といった〈説諭〉や依存症の相談窓口の電話番号などが掲示されたりしています(「依存症対策」)。ただ、なぜ依存症になってしまうのかについて『What's?パチンコ・パチスロ依存症』(東京都遊技業協同組合)を読んでみると、「パーソナリティー」(頑固で融通の利かないタイプ)・「接触体験」(子供の頃から親に連れられて慣れ親しんだ)・「心理的・精神的圧力」(様々なストレスと自責の念)などが複合的に作用した結果だとされ、結局、その責任は個人の側の何らかの事情に帰され、その「賭博」性や「射幸心」を煽るその過度な「演出」などは全く問題にされていません。いうまでもなく、パチンコは単なる「遊戯」(ゲーム)なのではなく多額のお金が賭っており、また、最近の機械は、その光量や音量を調節しなければならないほど(おそらく、大量のドーパミンを「絞り出し」、脳を「破壊」してしまうほど)のレベルに達しているだろうにです。〈ギャンブル中毒〉が〈薬物中毒〉と同様の〈性格〉を持っていることははっきりしていますから、個人の選択や自己責任の問題として片付けてしまうことはできないでしょう。なんらかの方法で一度「中毒」にしてしまえば、後はいくらでも「ボッタクル」ことができるからです―――ASKAはそうした〈中毒〉の凄まじい一事例と言えましょう。

   そして、IR(統合型リゾート)法案が、ゲームセンターではなくカジノの解禁を目指しているのは、言うまでもなく、〈ギャンブル〉で大金を「摺ってしまう」人々を前提にしているということです。そして、アメリカの次期大統領トランプをはじめ、日本進出を目論むアメリカのカジノ資本も同様のことでしょう。トランプと「信頼関係」を築いたアベはアメリカのカジノ資本をどうする気でしょう。もちろん、OKなんでしょうねえ。

   ところで、今回のカジノ法案で印象的だった人物の一人に、この法案採決に反対した民進党を「バカ」呼ばわりした、維新の大阪府知事松井一郎がいます。彼は、住之江〈競艇場〉の照明・電気設備関係の工事・保守を一手に請け負う株式会社大通の代表取締役であったとのことですが、彼にとって、カジノ解禁は相当「美味しい」ものなのかも知れません。もちろん、あの「三店方式」の(同じ敷地内に特殊景品の買取所があるといった)パチンコやスロットの現状を考えれば、カジノ解禁がどれほどのものかとも思いますが、しかし、現状では、少なくとも建前として、「賭博」・「バクチ」はご法度ということになっているのです。これに対して、アベ政権は、堂々と、「賭博」・「バクチ」の合法化ー〈民営化〉を推進しようとしています。しかも、その目的を「経済効果」とか「成長戦略の目玉」とか言ってのけているわけですから、アベ政権は、まさしく、金さえ儲けられれば、「実体経済」とは対極にある、「賭博」・「バクチ」もOKと言っているのです。わが日本の政府・与党の価値観は、あの時代劇でもお馴染みな、〈賭場の胴元〉と変わらなくなったのです。彼らが欺瞞的にも主張しそうな「公序良俗」や「淳風美俗」とカジノ解禁との関係はどうなのでしょうか。日本の近代化や戦後復興そして高度成長を支えた日本の「一般ピープル」の労働や金銭にたいする基底的価値観(意識や感覚)はどうなってしまうのでしょうか。
   カジノに通う人とはどのような人々なのでしょうか。他人を食い物にし〈不当〉に手に入れた「あぶく銭」を「遊び」につぎ込んだり、あるいは「浄化」しようとしたりする人々なのでしょうか。それとも、心のなんらかの「闇」を解消しようと、〈汗水たらした〉金や財産を吸い取られ、あるいは、やめたくても止められず、借金や犯罪まで犯して「ボッタクられる」人々なのでしょうか。どちらにしても、その帰結は、自己の劣情と自他に対する憎悪の増幅のように思われます。アベ政権は、まさしく、日本を文字通りの「ギャンブル大国」とし、日本人の基底的価値観を「劣情と憎悪」に導こうとしているのです―――もっとも、アベの一味にとって、〈お仲間〉の金儲けのためなら、戦争だろうと武器輸出だろうと、原発輸出だろうと再稼働だろうと、TPPだろうとなんだろうと、御構い無しなのですが。

   来週には、日本の政治家諸君の「基底的価値意識」が問われます。韓国議会は大統領を弾劾しましたが、日本の国会(参議院)はどのような判断と対応を取るのでしょうか。


 【追記】それにしても、松井大阪府知事は「えげつない」ですねえ。大阪商人の心意気とは「信頼の持続」と思っていましたが(田中優子:井原西鶴『日本永代蔵』「100分で平和論」)、松井の「賭博」合法化への志向は、それと真逆だと言わざるを得ません。
   


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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2017年11月現在満11歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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