オリバー・ストーンの『スノーデン』を観てきました

〈監視国家〉と人間の自由の核たる〈プライバシー〉
   ――権力の濫用と暴走に抵抗するアメリカの市民たち 



   ※先ほどテレビを見ていたら、トランプとアベが抱き合っていました。本当に気持ちが悪い‼️ いくら「似た者同士」とはいえ、あの〈節操〉の無さは、まあ「恥」と表現する他は無いでしょう。それにしても、合衆国の理念・憲法に反するトランプの暴走に対して敢然と立ち上がっているアメリカの「エリート」と「市民」はやはり大したものだと思います。それに対して、トランプにも劣らないアベの〈暴走〉を許している日本の「エリート」と「国民」は一体どうなっているのでしょう。これからも、「日米同盟の強化」と言う名の下に、アベ「買弁」勢力による軍事的・経済的な〈対米従属〉が推し進められていくのでしょう。つくづく情けなく思います。

   さて、先日、前から楽しみにしていたオリバー・ストーン監督の『スノーデン』を観てきました。この作品は、元CIA(中央情報局)及びNSA(国家安全保障局)職員だったエドワード・ジョセフ・スノーデンが、アメリカ国内はもちろん世界全体にまで張り巡らされた、NSA・CIAによる大規模監視の実態を〈内部告発〉した事実に基づいたものです。この〈内部告発〉については、映画にも登場し、この件に直接関わったグレン・グリーンウォルトの著書『暴露 スノーデンが私に託したファイル』やローラ・ポイトラスの映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』、そして、NHK/BS世界のドキュメンタリー『NSA国家安全保障局の内幕』(全3回)などで詳しく知ることができます。グレン・グリーンウォルトの本は、憲法と市民権専門の弁護士であった彼の本領が遺憾無く発揮されたもので、とりわけ、第4章「監視の害悪」はこの問題を考える上で大変参考になるものです。また、ローラ・ポイトラスのドキュメンタリーは、まさしく、スノーデンの「暴露」の過程を直接撮影したもので、スノーデン本人の人柄を感じとる上でも極めて貴重な記録といえましょう(本物のリンジーも写っています)。また、BS世界のドキュメンタリーの『NSA国家安全保障局の内幕』も、より長いスパンで問題が掘り下げられており、これからも再放送されると思われますので、未見の方には是非お勧めしたいと思います。

   それでは、今回のオリバー・ストーン監督作品について、私自身の感想を幾つか述べておきます。

   まず、第1に、この作品が国家権力の闇に光を与えた(「彼らが恐れるのは光です」)スノーデンに対するオリバー・ストーン監督の共感に支えられているだろうことはもちろんですが、これは、あくまでも、興行用の作品として作られたものです。そして、こうした観点から考えても、私には、オスカーをとった『プラトーン』や『7月4日に生まれて』、そして、『JFK』や新自由主義的な(国際)金融資本の不条理を巧みに描いた『ウォール街』や『ウォール・ストリート』よりもはるかに感動的で、彼の最高傑作なのではないかと感じられるのです。主人公であるスノーデンの視点から構成されるヒッチコックばりのスリルとサスペンスに満ちた展開、そして、「ヒーロー」としてのスノーデンの人格や思想に対する抑制され考え抜かれた表現、そして、「十年来の恋人」リンジーとの緊張感あふれる関係等々、2時間が大変短く感じられる作品でした。
      
   第2は、日本に関連する興味深い指摘です。政府はNSAやCIAによる大量監視体制(「全てを収集する」)をテロ対策を名目にして正当化しようとするわけですが、実際は、テロ対策としての効果などほとんどないに等しいと指摘されるものなのです。これに対して、実際に行われているのは、その大部分が、国内の「政敵」や外国に対する外交的・経済的な目的にのための諜報活動です。そうした例の一つとして映画で取り上げられているのが、Xkeyscoreを用いた個人情報の収集やマルウェア(悪意ある不正ソフトウェアやプログラム)によるハッキング行為です。映画では、スノーデンに「日本の通信システムの次にインフラも乗っ取り、密かにマルウェアを送電網やダム、病院にも仕掛け、もし日本が同盟国でなくなった日には、日本は終わりだ」と語らせています。この点について、来日したオリバー・ストーン監督は、1月18日の記者会見で、「スノーデン自身から僕が聞いたのは、米国が日本中を監視したいと申し出たが、日本の諜報機関が”それは違法であるし、倫理的にもいかがなものか”ということで拒否した。しかし、構わず監視した。そして、同盟国でなくなった途端にインフラをすべて落とすように民間のインフラにマルウェア(不正プログラム)が仕込んであるというふうなことです」と述べています。(この点については、「IWJ Independent Web Journal」
:http://iwj.co.jp/wj/open/archives/357253や「デイリー新潮」:http://www.dailyshincho.jp/article/2017/02020557/?all=1、などの関連記事を参照してください。)こうしたアメリカの「同盟国」にも向けられた「サイバー攻撃」の動きに対して、少なくとも2009〜2010年の民主党政権は抵抗したようですが、その後成立したアベ「買弁」政権は、自らの集団的利益の実現のために、アメリカの世界支配の目論見に無批判的に盲従し、自国民の基本的人権を売り渡そうとしてきたのです。「特定秘密保護法」の強行採決や「共謀罪」成立への策謀はそのことを明確に示すものです。ただ、いくらすり寄っても、一心同体の「ファイブアイズ(米英加豪新)には入れてもらえないのです。本当に、本当に恥ずかしいことです。
  
   最後に、どうしても考えざるを得ないのが、良心に従い、恵まれたキャリアや生活を犠牲にしてまでも、人間の自由を守るために行動するスノーデンのような「強い個」がどうしてアメリカに次々と出現するのかということです。日本の場合には、「強い個」というと、主に武士身分に浸透した儒教的倫理の影響といった事例を見ることが多いように思われますが(本当か?)、アメリカの場合は、やはり、「普通の人々」にまで浸透した自由・平等・独立といった価値意識(「独立自尊」?)が強く感じられるといえるでしょう。それにしても、国民に対する全般的な監視体制(「プライバシーの侵害」)による管理主義的な誘導・操作の効果(従順さを生み出す権力への同調圧力)は、日本においては、いっそう深刻な意味を持っているよう考えられます。話を戦後に限ってみても、長い間の「管理主義教育」や企業による「能力主義的管理」に慣らされてきた日本民衆は、それに対抗する〈生きた人間〉としての〈潜勢力〉を反省的に自覚することができるのでしょうか。私たち日本民衆の一人一人に問われていることのように思われます。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ワン・クリック・エリア
おもしろかったらクリックしてね!
にほんブログ村 犬ブログ 柴犬へ
にほんブログ村 にほんブログ村 格闘技ブログ 剣道へ
にほんブログ村 にほんブログ村 政治ブログ 平和へ
にほんブログ村
リンク
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる