「決められる政治」のどこが良かったのか

 アベ政治のファシスト的心性――①
    ―――K・シュミットの「決断」主義から

 

   ※何しろ暑い!完全に夏負けだ。「この炎天下で農作業じゃあ、無理ないよね」とも言ってくれるけれど、九州北部の豪雨被害の状況や前川前事務次官の参考人招致の様子などを見ていると、こんな暑さに負けてはいられないとも思う。ただ、我が家では一人入院するものが出てしまった。それにしても、こうした日本の状況を背にサンタやムーミンの国などを訪れていたアベは、8月には、アベ内閣の支持率を下げた「こんな人たち」に、「人心一新」の内閣改造をプレゼントして下さるのだそうだ。きっと「睡眠導入剤」あたりを仕込んでおこうというのだろう。悪あがきも大概にするがよい。

   ところで、7月9日の新宿における「安部はやめろ‼︎」デモの様子をYouTubeで見ていたら、創価学会の一グループが「SGI AGAINST FASCISM」というプラカードを持っていた。これまでも、アベ政治を〈民主主義〉に敵対し、〈戦争〉と〈独裁〉へと向かう「ファシズム」的性向を持つものと捉える人はいたけれど、こうした認識がここまで幅広く浸透していたとは驚きである。確かに、極右「日本会議」内閣ともいうべきアベ政権の性格を戦前の「天皇制〈ファシズム〉」(超国家主義)との関連でしっかりと捉えておくことは、アベ政権が日本国憲法を破壊しようとしている現在、喫緊の課題なのだ。

   実際、戦前の人権弾圧に猛威を振るった治安維持法の現代版とも言われる〈共謀罪〉が自公維によって「中間報告」というサギ的手法まで使って強行採決されたが、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」で話題となったあのアベ秋葉原演説の後にフェイスブックでなされた「安倍総理の選挙演説を邪魔した『反対者たち』は『政治テロリスト』なのだから!(共謀罪を)早速運用執行(逮捕)すべし」との投稿に対して、自民党工藤彰三衆院議員(愛知4区、当選2回)が「いいね!」のボタンを押していたことが発覚している。国会で汚いヤジを飛ばすアベが「よく言うよ!」ということはさておき、工藤の「間違って押した」などという言い訳を「はいそうですか」と簡単に信用できるわけがない。逆に、憲法21条(表現の自由)の適正な行使に他ならない政治権力保持者に対する批判を、警察権力によって暴力的に抑圧しようとする彼のファシスト的心性が露わになったと理解するのが妥当というものだ。そして、私たち「こんな人たち」は、こうした権力に対する表現の自由を「不断の努力でこれを保持」(憲法12条)してこそ、〈民主主義を闘いとる〉ことができると考えなければならないだろう。萎縮などしていられないのだ。

   ところで、以前、海外での武力行使(戦争)を「積極的平和主義」―――これについては、本家本元のJ・ガルツゥングからの批判がある(最新刊は『日本人のための平和論』)―――などと言い換えるアベの語法をジョージ・オーウェルの『1984年』におけるオセアニア国の「新語法(newspeak)」に倣って「アベノスピーク」と呼んでみたことがあったが、こうした騙しのテクニックは、トランプの「アナザー・トゥルース」と同様、ファシスト的心性の持ち主の常套手段であることを我々一般ピープルは知っておく必要がある。オセアニア国の「真理省(ministory of true)」のスローガンは「戦争は平和である 自由は屈従である 無知は力である」であったが、アベの「そもそも」が「基本的な」という意味もあると決議した「とんでもハップン(まさか)」の〈閣議決定〉こそ、アベ語・スガ語など、「ニュースピーク」を駆使するアベ政権の「真理省」的性格の表れと捉える必要があるだ。

   ところで、アベのお祖父ちゃんの岸信介は〈ヒトラーのお友達〉である「革新官僚」だったわけだが、彼らが熱心に学んだ理論の一つにナチスの「御用学者」K・シュミットのそれがある。彼の著書の一つに、「主権者とは非常事態についての決断者である。」との一文からはじまる『政治神学』(1922年)があるが、その中で主張されていたのは、(「決断の独占」ー「無限定の全権委任」をうけた)「決断」の主体たる「一人格」としての「主権者」の前では、憲法も法律もそして「真理」も平伏さなければならないということ、つまり、強権的な国家指導者による「独裁」の勧めだったと言って良い。そして、アベ政権が盛んに宣伝していた「決められる政治」とは、このシュミットの「決断主義」(誰が決めるのか!)の戯画といった代物と言えるだろうと思う。その実態たるや、非常事態ならざる通常の国政選挙で「争点」をひた隠しに隠して詐欺的に獲得した議席を背景に、国民の過半数が反対ないし疑問を持った数々の悪法や政策を、全権を委任されているわけでもないにもかかわらず(「改憲」で手に入れたいらしい!)、真っ当な討論もほとんど行わないまま、〈勝手に決めた〉ということに他ならないのだ。おまけに、事後的に「丁寧に説明する」などと嘘八百を振りまいてきたが、もともと合理的に説明ができない「無理筋」を押し通そうとしたからこそ、情報を隠蔽し、嘘をつき、異議を申し立てる者に対してパワハラを行使する他なかったのだ。自分たちが正しく優秀で、バカで理解の遅い一般ピープルに事後的によ〜く教えて下さるといった振りをしようとしたが、〈真っ当な政治〉も〈丁寧な説明〉もできない「バカが権力を握っている」(大谷昭宏氏)以上、「そもそも(最初から)」、そんなことは無理な話なわけだ。アベノミクスも含めて、アベ政治が「決めてきた」ことで、私たち一般ピープルにとって良かったことなどほとんどないと言って良いのだ。(続く)

   
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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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