中村哲講演会を聞いて

  命の水と蘇る緑の大地
    ――「平和をつくること」と憲法9条



   ※先月の25日、埼玉会館大ホールで開かれた「ペシャワール会 中村哲医師講演会」に行ってきた。中村哲さんについては、ETV特集『武器ではなく命の水を』などでご存知の方も多いと思う。私が中村さんの活動を知ったのは2001年のニューヨーク同時多発テロの年で、『医者 井戸を掘る』と言う本を読んだ後、『ペシャワール会報』を読むようになった。あれから16年、少額の寄付のほかは特別なことはしてこなかったが、今回初めて中村さんの肉声を聞くことができた。彼は「あと10年も経てば、私は呆けているか、死んでいるだろう」とサラッと言ってのけていたが、もう70歳を超えていた。

   講演会には満席の1450名の方々が集まっていた。筆記用具を忘れたので講演内容については詳述できないが、特に印象に残っているのは、干ばつで砂漠化していたアフガニスタンの大地が、中村さんたちの支援する用水路の建設によって〈緑の大地〉に生まれ変わっている情景だ。写真やテレビの画面では見たことがあったが、大画面の迫力に、会場全体にも「お〜!」という声が溢れた。そこには、確かに、「平和」が感じられたのだ。アフガニスタンの農民にとって何より大切なのは「ふるさとで、家族と一緒に、飢えずに暮らすこと」だ。そのために不可欠なのが「水」であり「緑」であり、「農業の復興」に他ならない。そこに、「医者」が井戸を掘り、用水路をを建設し、「緑の大地」を復活させねばならない根拠があった。そして、そうした「平和な生活」のための行動を実際に担ったのは、政治的立場を超えたアフガンニスタンの人々だったのであり、それを妨げようとする人々は存在のしようもなかったのだ。しかし、戦乱の中で、そうしたことを可能にしたものこそ、中村さんのアフガン人の「文化」と「主体性」を重んずる姿勢と武力での問題解決を禁じた日本国憲法の平和主義に対するアフガン人の「信用・信頼」だったと言える。

   それにしても―――とりわけ質疑応答の中で強く感じられたのだが―――、中村さんの人柄には考えさせられるところが多かった。様々な困難や様々な想いがあったことだろう。しかし、それらを乗り越えさせたのは、〈真っ当に〉生きようと共に立ち上がったアフガンの「一般ピープル」に対する〈同じ人間〉としての「仁義」だったようだ。その決して雄弁ではない佇まいには、人をして信頼せしめる、強さと誠実さが感じられるのだ。

   中村さんの生き方には、日本国憲法の平和主義の一つの具現化された姿を見ることができる。しかし、昨今の世界と日本には、「権力政治」家どもが推進する、〈武力〉による威嚇と戦争が満ち溢れている。私たち〈真っ当に〉生きようとする「一般ピープル」はどちら選択すべきなのか。
   ところで、中村さんたちの事業にかかった費用は25億円だったという。これに対して、今回の朝鮮半島の緊張激化を理由にアベ政権が導入しようとしている―――〈5年後〉の運用を目指し、しかも、その効果も定かではない―――「イージスアショア」は、800億円×2の1600億円だ。中東で、アフガンで、世界の紛争地域で、どれだけの金と人命が費やされたことだろうか。そのことによって、その地域における「一般ピープル」の命と生活はどうなったというのか。結論は明らかだ!希望は中村さんの生き方に、日本国憲法の平和主義にあるのだ。

   次回は、映画『標的の島 風かたか』を見た感想から、この間の朝鮮半島危機について考えてみたい。


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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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