千住真理子の〈ストラディバリウス〉を聴いてきた

 緩徐楽章や独奏部でその素晴らしさが光った
  ――それにしても、コバケンはオーケストラを鳴らし過ぎだ!



   ※昨日は、野菜に寒冷紗をかけた後、秋雨の中、大宮のソニックシティで行われた「日本フィルハーモニー交響楽団第103回さいたま定期演奏会」に行ってきた。やはり人気があるのだろう、会場は満員の盛況だった。恥ずかしながら、なかなか成熟できない私は、バッハの若き日の「ヴァイオリン協奏曲」が好きなのだが、その中でも千住真理子のCDを聞くことが多く、彼女のストラディバリウス「デュランティ」を一度は生で聴いてみたいと思っていたのだ。演目は、以下の通り。
  
 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 
             (ヴァイオリン 千住真理子)
 ドヴォルザーク スラブ舞曲 第1集 第1番
         スラブ舞曲 第2集 第2番
 スメタナ 交響詩「我が祖国」より”モルダウ”
 チャイコフスキー 祝典序曲「1812年」
 アンコール ドボルザーク 「ユーモレスク」第7番

   さて、千住さんの「デュランティ」だが、400年も前に制作された、数億円もするものだという。聴いてみて、確かに、緩徐章や独奏部では「さすが!」と思わせる音色を持っていると思った。ただ、早いテンポやオーケストラとの協奏部では、なにか「荒さ」(?!)と言うか、音量と言うのか、「機能性」になんらかの問題が感じられたようにも思う。やはり、無伴奏で聴くのが一番なのかもしれない。

   後半の小林研一郎=日本フィルの演奏については、指揮者の語りを軸とした「題名のない音楽会」的な趣向で、ちょっと驚いた。会場は8割方が高齢者で―――私もそうなのだが、前を見ると一面に「薄毛」と白髪の光景が広がっていた―――、なにやら老人大学の音楽教室のようでもあった。曲の背景や構造そして指揮上の工夫など、演奏を聴く前の「予習」といった趣の話も多く、興味深くはあったが、演奏会が本当にこれでいいのかとも思った。また、全体として、小林さんは〈大規模のオーケストラ〉を鳴らし過ぎだと感じた。少し暴力的で、押し付けがましくも聞こえるのだ。

   それでは、それぞれの演目に対する若干の感想を記しておく。まず、世の中で最も美しいメロディの一つとも言われる「スラブ舞曲第2集第2番(第10番)」であるが、私個人としては、「次は、こう来てほしい」と思うところでコバケンの男性的な(?)「悲しさ」によって私の期待は見事に裏切られるのだ。私が保守的なのかもしれないが、感性の違いとはなかなか難しいものだ。また、「モルダウ」の演奏についても、ヨーロッパの大河は、台風後の日本の河川のように、あんなに荒れ狂って流れるのかと認識を新たにせざるを得ないと思うほどだ。「1812」は、彼の個性に一番合った曲だとは感じたが、それにしても、「燃え」過ぎでしょう。まず、終曲部のギリシャ正教会の鐘の音が優しく、明瞭に聞こえない。大砲は、「祝砲」ではなくて追撃戦の音だったわけだ。このご時世なので、ナポレオンとツァーリ支配下のロシア人民の「ナショナリズム」については複雑な思いもするが、それにしてもコバケンを「炎のマエストロ」とはよく言ったものだ。ただ、アンコールの弦楽合奏版「ユーモレスク」はよかった。誕生から昇天に至る人間の一生をわかりやすく音楽で表現したというのも面白い。私の昇天は、アーメンとは言わず、幼児に返って、「ユーモレスク」(?)なものになりそうなのだが。

   クラシックのコンサート会場は私には若干違和感を感じさせる場所だ。しかし、生の演奏を聴いて好き勝手なことを感じ、考えることのできる演奏会も悪くない。音楽って本当にいいもんだ!
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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2016年11月現在満10歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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