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剣道・達人の教え(4)―――「脱力」とスピード

  我〈しもべ〉たる飼い主は、最近、僕の冬毛がたくさん抜けるものだから、「柴犬と言うのは、縄文時代から日本の山岳地帯に住む猟犬だったというけれど、本当に日本の季節に敏感だねえ。もう春なんだねえ」などと言いながら、指先やコロコロで僕の毛を抜くんだ。でも、あんまり無理に抜かないでよ。まだ、寒いんだから。

  1年ほど前、我師匠は、知り合いの剣道八段の人と一緒に稽古をするので私も来ないかと誘ってくれた。八段同士の稽古を見られるなどということはそうあることではないので、大喜びで参加させてもらうことにした。そして、それは、勿論、「大当たり」だった。
  稽古は合計1時間程だったと記憶しているが、それは、いわゆる試合と言うよりも、何かを確かめ合うといった風情のものといってよかったと思う。単純化していえば、攻めて相手を崩し、ここぞというところで、渾身の一撃を繰り出すということであったが、それを見て私が受けた強い印象とは、その柔らかさとスピードである。
  まず、「柔らかさ」についてであるが、それは、言い換えれば、千変万化の状況変化に対する「反応速度」の問題であって、たとえば、中心の攻め合いにおいてすばやく反応して体勢を崩さない、つまり、「崩れない」ということだ。「スキがない」とは、要はそういうことなのであって、繰り返しになるが、こうした素早く安定した反応を生み出すものが「柔らかさ」なのだと思う。このことは、八段の人と竹刀をあわせてみると強く感じることができるもので、そのずば抜けた「柔らかさ」・「反応速度」こそ彼らの最大の特徴ではないかと私は思っている。
  二つ目は「スピード」である。八段といえば年齢的には若くないわけで―――お二人は60代前半と50代後半である―――、若者たちと比べるとそのスピードは一見遅いと感じることさえあるだろう。ところが、間近で見てみると、「ホホー!」と思うほど早いのである。つまり、足裁きにしても、打ちに伴う身体の移動にしても、確実に、若い人よりも早そうなのである。身体は衰えているはずなのに、それはなぜなのだろうか? 私の見たところ、その秘密は、すべて、「脱力」-「自然体」からの「一拍子」(!)の動きというところにあると思われる。つまり、大げさな前ぶりや「えいやっ!」といった「溜め」もなく、始点から終点まで、無駄な動きがないまま、「スーッ」と身体が動いているのである。これは大発見だったと思う。
  そして、この二つとも、やはり、「脱力」が鍵になっている。それが、現時点における、私の理解だ。

  お二人の稽古の後、私も、客人とほんの短時間ではあるが稽古をさせてもらった。初一手、やはり、手の内柔らかく、強烈な小手が来た―――まあ、忘れられないでしょうね。そして、稽古の後、アドヴァイスをいただこうとしたら、(人それぞれ流派や考え方が違うので)まずは、師匠一人の話を聞いていたほうがいい、ということだった。なるほど、まずは「守」なわけですね。う~む!深そうだぞ。


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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2018年11月現在満12歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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