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チェ・スンホ監督『共犯者たち』を観た     ―――韓国における〈報道の自由〉のための闘い

 『記者が黙った 国が壊れた』
        長期保守政権による言論弾圧、 
   主犯は大統領、共犯者は権力におもねる放送人(パンフより)



   先日、Mさんの紹介で東中野のポレポレで上映されている、チェ・スンホ監督の『共犯者たち』を観てきた。Mさんは少年時代新宿区に住んでいたこともあって、当時は富士山も見えたという起伏の多い地形をたどって、高田馬場から東中野まで歩いて行った。東京の紅葉が美しい季節でもあったが、70年前後の東京の「下町」の雰囲気が残っているように感じられた。

   映画の内容は、イ・ミョンバクやパク・クネ政権による言論弾圧、そして、それと「共犯関係」を結んだKBSやMBC上層部の実態を明らかにする”ドキュメンタリー”だった。圧巻だったのは、こうした動きに対して報道の自由を守るため、過酷な弾圧や懐柔を跳ね返して闘うプロデューサーやジャーナリストたちの姿だった。映画館はなんとこのご時世に満席だったのだが、多くの人々が「なぜ韓国の人々は長期保守政権を終わらせることができたのか?」という問の答を求めて来ていたのかもしれない。事実は小説よりも面白い。必見の価値ある作品と思われた。

   アメリカの「ブルーウェーブ」そして韓国の「キャンドル革命」―――米韓の「一般ピープル」の”パワー”は、知れば知るほど衝撃的なものだ。映像を通してではあれ、そうした彼らの姿を目の当たりにすると、日本の「一般ピープル」たる私は、自分(たち)の不甲斐なさに「恥じるしかない」と感じるのだ。また、同時に強く感じるのは、アメリカや韓国には、日本とは比較にならないぐらい多数の”まっとう”な「知識人」・「エリート」が存在しているらしいことだ。日本にも、望月氏や前川氏をはじめ、”まっとう”な「知識人」・「エリート」はいる。しかし、彼らと連帯して闘う「同僚」の数は、米韓に比較して著しく少ないと言えるだろう。さらに、アメリカや韓国の動きの中には、若者や女性たちの圧倒的な存在感がある。しかし、日本の場合には、それは極めて限られたものでしかない。そして、こうした日本の現状が、このどうしようもない〈アベ政治〉の長期化を許しているのだろう。それは、歴史的に形成されてきた日本の「〈政治〉文化」(人権意識、主権者意識等々)の現れという他あるまい。

   実は、こうした現状こそ、私がずっと前から書きたいと思っている「なぜ悪逆非道で”反国民”的なアベ政権が続くのか(6)―――反政治的心情と政治的無関心」のテーマなのだ。しかし、これは大変書きにくいものでもある。というのは、考えれば考えるほど、アベ達への怒りはもちろんなのだが、自分自身をも”嫌”になってしまうからだ。これに対して、このドキュメンタリー映画は、韓国のエリートと民衆が日本の私たちが抱えている「限界」を見事に乗り越えていることを伝えている。いやはや、「嫌韓」どころか、彼らの「直情的なほどの『まっとうさ』」(小熊英二)に「恥じ入る」ばかりなのだ。しかし、恥じ入っていても仕方がない。今度は、私たちが私たちの『まっとうさ』を実現する番なのだろう。

   
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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2018年11月現在満12歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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