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「他の道」とはなにか―――「市場原理主義」との決別

   「居留民保護」のための海外出兵だって?!    


     昨日、NHKニュース9を観ていると、今回のアルジェリアの事件に関する報道の最後に、元イラク駐在の外交官だったという「識者」が登場し、ほぼ次のようなことを言っていました。すなわち、現在の経済のグローバル化の進展の中で日本企業の海外進出は不可避であること、しかし、中東・北アフリカさらにアジアにおいてもイスラム武装勢力の勢いはますます広がりを見せるだろうこと、それ故、アルジェリアなどのように強い軍事力を持つ国は「いいのだが」、こうした勢力に有効に対応できない弱小国家に日本の企業だけが進出しているような場合には、(「自衛隊」が)そこにいる日本人を救出できるような法的整備が必要だ、といった趣旨のことでした。この話を聞いて、私は、この悲惨な犠牲者の帰国を前にして、この識者は、結局、これまでも日本のイスタブリッシュメント〈クラブ〉の中で話されてきただろう「方針」・「方向性」をただ主張・推進しようとするだけなのだなあ、と強く感じざるを得なかったのです。

    すなわち、それは、日本企業の「市場原理主義」に基づく海外進出を促進させ、また、それを軍事的にも支援する―――安倍流に表現するならば「世界で戦っている『企業戦士』」を『軍事戦士』によって守る―――ということに他なりません。それは、アメリカを中心とする「国際社会」が組織する「多国籍軍」〈クラブ〉に参加するというかたちを基本とするのでしょうが、さらに、それを日本国軍の単独行動をも視野に入れたものにしようということなのです。しかし、ここで展開されている議論は、私に言わせれば、まさしく、〈déjà-vu 「デジャヴ」〉そのものです。つまり、「通常」の主権国家にあっては、その国で何らかの事件があったとしても、外国の軍隊を直接介入させるなどということはありえないでしょう。(例えば、日本で中国人100名を巻き込んだ事件が発生したからといって中国人民解放軍の直接派兵を許すことはありえないでしょう。)しかし、国内に深刻な対立を抱え、内乱状態にある発展途上国に「進出」していた日本企業に「危険」が迫り、政府軍が反政府武装勢力を有効に押さえ込めないといった場合には、日本国軍が、当該政府の要請を受けたり、あるいは、その政府が有効にそれを鎮圧できないからという理由で、直接出兵-攻撃できるようにする必要がある、ということでしょう。これは、戦前の中国大陸などで行われた「居留民」や「在留邦人」保護のための出兵と同じ論理であり、しばしば、帝国主義的侵略の正当化に利用されたものにほかなりません。(かの「識者」は戦前の日本の侵略戦争をどう捉えているのでしょう?当然、アベッチのお友達でしょうけれど。)事態はここまで来たのか。NHKはそこまで言わせるのか?!

    さて、一般ピープルたる私にとって、こうした議論は、その枠組み自体が、ある種の人々にとっては勿論利益となるのでしょうが、一般ピープルにとっては負担と犠牲だけを生み出すものとしか思えないのです。

    まず、日本企業は、いくらそこに「ビジネスチャンス」があるからといって、従業員の安全を考えれば、「危険な地域」への「進出」は控えたり、撤退したりすべきだと私は考えます。少なくとも、もし私の息子がそうした企業に勤めているとするならば、私は、そんな所に行く位なら、国内の耕作放棄地で食料自給率を高めるために農業でもやった方がいいのではないか、などというのではないでしょうか。

    ただ、私は、危険な地域には絶対行くななどと言いたいわけではないのです。逆に、私は、この十数年間、あのアフガニスタンで活動してきた中村哲さんらペシャワール会の活動に大いに注目し、評価したいと考えてきました。しかし、彼らの活動は、あくまでも、「中立」に徹した、一般ピープルの生活支援ための活動であって、それが故に、アフガニスタンの多くの人々から感謝され、信頼もされてきたのだろうと思うのです。(そして、もし日本政府がアフガニスタンに直接軍事介入するようなことにでもなれば、ペシャワール会の活動も不可能なものになってしまうでしょう。)

   また、日本企業は、戦後、中東諸国と良好な関係を形成し、信頼されてきたとも言われてきましたが、それは、日本が(戦前、中東地域を植民地化し、戦後も、この地域を「支配」した多国籍企業の本国たる)欧米諸国とは一線を画し、軍事的支配とは無縁な平和憲法を持ち、これらの国々の工業化のために技術的な支援も積極的に行う、同じアジアの、「公正」・「中立」な交易相手国と認識されていたからなのではないでしょうか。そして、現在の混沌とした状況の中からの脱出も、「先進国」軍事クラブへの参加やそれらの国々への軍事的コミットメントの中にあるのではなく、戦後日本のように、これらの地域との公正・対等・互恵的な通商に徹する所にあると言ってよいのではないかと私は思うのです。

    さらに、これまでも、資源・エネルギーという観点から中東地域の重要性が盛んに主張されてきましたが、それが、結局、「石油のための戦争」を正当化するだけなのであれば、一般ピープルとしては、それから距離を置くだけのことではないでしょうか。つまり、戦争に訴えなければならないというくらいならば、すなわち、そのことによって多くの若者たちの生命を犠牲にするくらいならば、我々の生活自体を公正な貿易という範疇に収まる程度に縮小すればいいのです。

    さらに、最近の報道によれば、日本は自然エネルギーの宝庫と言っていいらしいではないですか。風力、潮力、地熱、そして、バイオ(藻類)などなど。日本の技術と資本をこれらに集中して、再生可能なエネルギーを自給し、さらに、全人類に供給できるようになれば、これほど誇らしいことはないでしょう。

    原発もそうですが、「石油」関連の既得権益に群がる一部の人々の利益ために、一度しかない若者の一生を犠牲にしたり、この大地を汚染したりする必要などはさらさらないというべきなのです。


  ※ またまた、長くなりました。次回は、教育問題か福祉問題について書く事ができればと考えています。
    サロさん!オヤ?もう寝てますね。最近、寝るのが早いですねえ。




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SARO MURIKI

Author:SARO MURIKI
おりこうさんのワンワンです。年齢は、2018年11月現在満12歳です。見てのとおりの柴ですが血統書はありません。性別はオスで、飼い主には、朝夕、45分ずつ2回の散歩を義務付けているVIP犬、正確に言うと、VIDです。文句あっか?!

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